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民法改正で 配偶者優遇 現金相続しても居住可能

民法改正で 配偶者優遇 現金相続しても居住可能

2018/03/14

 

相続財産の現金を相続してしまうと配偶者が自宅に居住することが出来なくなる問題があり、この度、下記のように民法が改正されるようになり配偶者にとって相続後の生活が確保できるようになった。

 

平成30年3月13日閣議決定された。

遺産相続に関連する民法の改正案の相続への影響

 

(設例・想定条件)

 

被相続人(夫) 妻、子供二人(長男、次男)

  

相続財産(自宅財産額2000万円。現金2000万円)

計4000万円

 

遺言書がなく、遺産分割が不調で分割は法定相続分(妻は2分の1、子供は4分1ずつ)で配分する。

 

 

(現行法での相続のポイント)

 

遺言書(遺留分を配慮した)があれば法定相続(均等相続)によらずその遺言書の分割が優先される。

 

このケースのように遺言書がなく話し合いでの遺産分割が不調になった場合は相続財産は一時的には共有になり、全相続財産を法定相続分に基づいて配分することになる。その時、相続人(母親)の今後の生き方に関係する。

通常、母親が健康であれば自宅に住むことを望む(子供たちと同居もある)現行法では自宅を母親が一時相続すると相続税はかからないが全相続財産〈不動産、現金等)のうちの自宅相続財産額が大きいので現金を持つことが出来なくなる欠点がある。

 

子供達もどちらかと言えば現金が欲しいので母親が自宅に住ませることは二の次にして自宅を売価してその売却手取り額と相続財産(現金等)を含めて母親。子供達で均等に相続しようと計画します。こうなると子供たちは親から不老財産をもらえるが、母親が下記のとおりどちらかを選択しなければいけない状況が社会問題化してこの度の改正になった。

 

(各人の選択)

 

妻・・2分の1で相続分2000万円(自宅の所有権2000万円か現金2000万円かどちらかの選択をしなければならない 

 

妻は残された人生を自宅で居住するとすると自宅の所有権2000万円を相続しなければならない。そうすると現金は相続出来ず老後の生活資金が無くなり実質的に生活が出来なくなってしまう。逆に家を売却して現金を相続すると家を相続できず実質的に妻の居住場所が自宅でなく子供との同居、他の高齢者住宅を借り居住すること等になる。

 

子供・・4分の1なので相続分は1000万円ずつ(各人は自宅の所有権1000万円分か現金1000万円の選択しなければならない)

 

 

(現行法の問題点)

 

現行法では均等相続が重視され、親が財産形成した相続財産額のうち妻は2分の1の権利は確保できるが、妻としては残された人生をどこでどう居住するかが問題になり、現行法では非常に不安定な状況に置かれてしまう問題点が発生してしまう。

 

 

(改正案での相続のポイント)

 

1、配偶者居住権の新設(配偶者優遇相続)

 

自宅の所有権としての財産価額2000万円を配偶者の推定余命等を基に「配偶者居住権価額」を算定する。

設例では1000万円と算定されている。

妻はこの配偶者居住権〈一代限りで売買は出来ない)を相続でき居住する権利を確保することが出来る。更に現金1000万円をも相続でき老後の生活が安定的になる。

 

その結果。自宅の所有権価額は2000万円でなく1000万円になる。

 

   所有権価額     配偶者居住権価額   残された所有権価額

   2000万円 ー   1000万円  =    1000万円

 

子供は上記のように妻に配偶者居住権を相続させたとすると長男が配偶者居住権の基となる所有権1000万円(配偶者居住権価額を控除した残された所有権価額)を相続し、次男は現金1000万円を相続する分割相続をすることも可能である。

 

 

2.自宅を遺産分割の対象から除外できるようにする。

 

改正案・・明確な意思表示がなくても遺産分割の対象から除外しても良いとされている。

 

その結果、遺産分割の対象の自宅が上記のとおり遺産分割の対象から除外するのでは遺産分割の対象は現金2000万円のみになる。

 

妻の相続分・・・自宅の所有権価額(2000万円)と現金1000万円(2000万円×2 / 1=1000万円)を相続できる。

 

子供の相続分・・・500万円ずつ(1000万円×1 /2=500万円)

 

除外できる条件

 ① 20年以上、法的に結婚している夫婦に限る

 ② 居住している自宅に限る

 

 

この改正によって配偶者(妻)の老後が安定的に確保できるようになる。この改正案を実行することは良いが必ず生前に遺言書を作製して置くことが重要である。それと妻の権利を上記のとおり1か、2にするか母親としての強い威厳を持って争いのないよう第三者の専門家(不動産鑑定士等)に相談し、アドバイスを受けることが最善である。

 

 

 

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栄光神奈川鑑定  不動産鑑定士 不動産カウンセラー
         円満相続遺言支援士
         田邉 勝也
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