広大地評価 厳密化、相続税増税か、平成30年から実施、29年は現行法での適用なので出来るなら今年度中に実施すべし。
2017/02/12
現行の広大地評価については平成29年末で廃止され 平成30年1月から相続土地広大地評価方法は各画地個別事情(不整形、道路接道)を反映し、更に規模格差修正を行っての評価をするようになる。
現行の広大地評価の判定要因があいまいで判断しづらい難点があり、どちらかと言えば、相続土地の最有効使用が戸建住宅開発素地でかつ開発に当たっての開発道路の負担が必要である限定された要件があったが、改正によって戸建て住宅開発素地で開発道路負担の要件がなくなったことと相続土地の個別的事情を反映したことを含めて明確化されたとなっている。ただし、その相続土地の最有効使用がなにか具体的には戸建住宅開発素地なのか分譲マンション用地なのかの区分での規模格差修正率が明確でない。
単純に面積に基ずく方法が採用されなくなりますので不動産鑑定士は先ずは相続土地の最有効使用を判定してと開発法を適用しての個別評価をし併せて改正後の広大地評価法を適用して最終決定します。
「広大地」とは近隣の「標準的画地より著しく広く、、3大都市圏500㎡以上(ミニ開発規制対象なら500㎡未満も)、戸建て住宅開発素地であること 開発に当たっては開発道路負担を必要とする3要件が必要になるます。
広大地に該当するか否かの判定は税理士さんには難しいのでその道のプロである不動産鑑定士が上記の3要件に合致していればれば広大地に適応との「広大地判定書」を提出するので、税理士さんは下記の面積を基準にした算式で自動的に相続税評価の広大地減価をしています。
算式・・・広大地補正率=0.6-0.05×(広大地の面積÷1000㎡)
例 ・・・1000㎡の相続税評価 「正面路線価×0.55(広大地補正率)×面積 ・・・45%の減額となる
500㎡なら広大地補正率は0.575 2000㎡なら0.50 5000㎡以上なら0.35
要は0.35の広大地補正率は65%の減額になります。
広大地補正率の考え方は不動産鑑定士が戸建て住宅開発地の大規模地を鑑定評価する「開発法」の手法を引用しているが相続税法での広大地評価は広大地補正率は同じ面積なら形状、奥行が違っても上記算式により同じ補正率になります。その土地の面積が1500㎡であっても実際の取引価額は、奥行等によって開発道路の設置場所が異なり、開発後の各画地の開発道路との接道が違い各画地の土地価額に差異が生じてしまうのだが、現行法ではそのことは反映されず、同じ評価額として算定することになっており現実の取引価額との相続税評価額が大きく乖離する事例が多発し、実際には広大地に判定されれば広大地所有者は大幅な節税策に利用することができたのです。このような広大地評価の問題点が2017年度税制改正大綱で取り上げられ下記のように決定されました。
「現行の面積に比例的に減額する評価方法から各土地の個性に応じて計状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに適用要件を明確化する。」
改正後の新評価方法はまだ正確には出されていないが、面積・奥行・不整形を考慮してかつ規模格差修正を行っての評価になります。ですから現行法の不動産鑑定士の広大地判定書での広大地適用が可能であれば面積だけで大幅な減額補正が出来たのが改正では個別的条件を反映し規模格差を考慮した評になります。相続税課税厳格化状況にあり地主さんへの相続税は増税方向にあります。
この改正の実施は2018年の相続税等から適用されます。
税理士さんも勉強され地主さんへの節税対策を講じていかれますが、今後はより相続税に特化した不動産鑑定士との連携が求めれます。地主さんも今迄のように税理士さんにお願いしていればいいとの安易な依頼はやめるべきです。
2017年の贈与なら従来の評価方法が適用されるので検討する意味合いはあります。
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