相続土地の評価 相続税申告時と遺産分割時の土地評価は違います。川崎市不動産鑑定士
2017/04/27
不動産鑑定士の田邉勝也です。
不動産鑑定士の私は、現在の混迷した日本不動産の中で、誰に相談したらいいかお悩みの方々の駆け込み先として相談を多く受けています。
相続財産のうち不動産、特に相続土地についてはそれぞれの想いの評価をしている為、適切な対応ができてなく、大損したり,争いになる原因になっています。
そこで、ここでは相続申告時の土地評価は基本的には相続税路線価方式で求めるが、不動産鑑定評価を併用した方が得策である点と相続税申告はしないが、遺産分割時の土地評価は目的が「節税」ではなく「公平」なので、上記の相続税路線価方式を採用すべきでなく、不動産鑑定評価等の手法を用いての時価評価をしなければいけない点を説明します。
1、相続税申告時の土地評価(税務評価)の限界
相続税申告の目的は「節税」であります。その節税をその相続土地の利用及び評価の仕方によってその相続土地の評価額を下げることで節税は可能になりますが、下記の理由より全ての相続土地を相続税路線価方式で評価することには限界があります。
それは個々の不動産は個別的状況が異なります。この相続税路線価方式はどちらかと言えば画一的で、かつ簡便的に評価する方式なので、個別的減価要因の減価率が大きい土地(不整形地、接道不足地、広大地等)についてはこの方式での減価率が甘くなってしまう傾向にあり、本来の不動産市場での時価に比べ高い価格の評価になってしまいます。
相続税申告での担当税理士はこの相続税路線価方式以外の評価は出来ないので、相続税路線価方式から求めた価格が時価と乖離した高い土地価格になってしまった場合、真の時価の把握を不動産鑑定士にサポートしてもらえればいいのですがそれさえもせず、その高い価格で申告されているケースが多いのです。
これは相続税路線価方式の限界の一部であります。一番大損をしているのは何も知らず、税理士を信頼していた相続人です。
まだ「相続税還付制度」を知って、再評価をして申告の結果、相続税が還付された方は恵まれています。大方は知らず過剰納付したままで大損しているのです。
この相続税路線価方式の限界をカバーするには相続税申告の経験、知識力があり、不動産鑑定士とタイアップされている税理士を選び、標準的な土地の評価及び申告はこの税理士に担当してもらい、個別的減価率が大きい相続土地は不動産鑑定士による不動産鑑定評価を併用する方が時価評価が出来「節税」が得られ得策です。
2、遺産分割協議時の土地評価
相続税申告しなくても遺産分割協議によって相続財産を分配しなければなりません。
この遺産分割の目的は「公平」であり、ここでの土地価格は相続税路線価から求めた「みなし時価」ではなく、実勢価格(時価)であります。
不動産に対する強い想い入れがある場合は、相場より高値の金額で土地を評価してしまいがちです。不動産を出来るだけ低く評価して代償金の金額を抑えたいとかの問題がでて混乱してしまいます。
遺産分割は相続人全員の合意で成立するので、相続土地の評価方法については決められていません。
よって、相続人各々がそれぞれの思惑の為に土地価格を提示してきますのでまとまりません。
時価を求める方法は正式な不動産鑑定評価をすることが一番いいのですが、費用が掛かるとのことで採用しないことがありますので、幣事務所では相続人間での公平を確保する目的で円満な遺産相続が出来ますことを望み、鑑定報酬も安価な「不動産価格調査書(簡易鑑定書)を提供しています。この資料を基にして公平な遺産分割が出来たと喜ばれています。
(1),不動産評価の公的基準について
不動産に関する国が定めた公的価格として、下記の価格があります。
① 地価公示価格・・・想定時価に対する割合 100%
地価公示法に基づき、国土交通省が定める特定の標準地について、毎年1月1日基準として公示する価格で、毎年3月に発表されています。この公示価格はその土地を標準地として捉え、自由な取引がおこなわれた場合に、通常売買が成立するであろう価格で公共用地取得、売り払い、民間取引等の指標としての「時価」として定められている。
②相続税路線価・・・想定時価に対する割合 80%
相続税路線価は、国が相続税・贈与税の課税をするために定めた価格である。この価格が上記のとおり想定時価に対して80%程度の価格になっいる。これは相続税申告は自己申告です。実際には担当税理士が受託し、相続不動産を評価しますが、評価は簡便的な相続税路線価方式等で評価しますので、最初から80%に値下げし評価の安全性を確保しています。
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式がある。この相続税路線価はその路線沿いの標準的画地の標準的な土地価格が表示されているのですが形状が悪い、道路接道が悪い、規模が大きい広大地等個別的減価率が大きい土地はこの相続税路線価に画地補正率を乗じても実勢時価並みにはならないことに注意して下さい。
この方式の限界でのデメリットを補うのが「不動産鑑定評価」です。幣事務社は相続税路線価方式を採用しての価格と費用が安くなる「不動産価格調査」を併用します。費用対効果を検討して対応して下さい。
(2)相続税申告時の土地価格はどういう価格でどのような評価手法を適用していますか。
基本的には、不動産市場で売買が成立する土地価格としています。それが相続税申告は自己申告制ですから本来は相続人が土地価格を査定して申告するのですが、実際には担当税理士が相続税路線価方式を適用して評価しています。申告業務経験の少ない税理士が多いので、真の時価を評価することは出来ません。
国税当局は評価の専門家でない税理士が評価し易く、国税担当官が申告書を審査し易いように財産基本通達での簡便的な評価手法である相続税路線価方式等の手法で求められた価格が時価に置き換えられている。
「全ての相続土地の価格評価をこの相続税路線価方式が適用できる」と誤った捉え方が一般化されているのです。
私は不動産の時価評価を専門とする不動産鑑定士として個別的減価が大きい相続土地(広大地、不整形地等)についてはこの相続税路線価手法では限界であるので、不動産鑑定士の不動産鑑定評価を適用することで、本来の目的である相続税の節税が可能になることに注意を喚起させて頂きます。
・相続土地評価の経験、知識の少ない税理士に任せていることが増税の根源になっていること
・相続土地の評価は相続財産基本通達の路線価方式で求めた価格が時価であると思い誤っていること
(3)、相続税法での分類と評価方式
(1)土地(借地権を含む)
宅地・・・・、市街地は「相続税路線価方式」
郊外は 「倍率方式」
アパート等の敷地(貸家建付地) ・・・更地価格×(1-借地権割合×借家権割合)
貸宅地(底地)・・・更地価格×(1-借地権割合)
借地権・・・更地価格×借地権割合
(2)家屋
・自用建物・・・固定資産税評価額
・貸家建物・・・固定資産税評価額×0.7
(4)相続土地の評価方法と不動産評価額について
相続税法第22条において評価の原則として相続、遺贈または贈与により取得した財産価額は当該財産取得の時における時価によると定められている。 国税当局は納税者の便宜、課税の公平性の観点から統一的な評価基準ととして、相続税財産評価基本通達を設けてその通達によって評価された価格を「みなし時価」ととしている。
この通達は土地価格に影響するすべての事情が網羅されている訳ではないので、この通達で評価された価格は必ずしも時価とは言えず「みなし時価」なのです。
よって、相続土地の評価では、この通達を評価の基本としながらも時価が相続税路線価を下回る場合にはこの通達の手法に代えて不動産鑑定評価書をもって相続税の評価とすることが可能とされているのです。
ですから、相続財産があり、相続税を納税すると見込まれる方は事前に概算価格を上記の相続税路線価に基づいて評価し、更には不動産鑑定評価までは必要ないので「不動産価格調査」よって相続不動産の総価額を算定し、相続税申告の判断資料として判断すべきである。
この調査等は不動産鑑定士田邉勝也が皆様の為に総力を出して協力します。先ずは相談して下さい。
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